神奈川県議会議員 鈴木ひでし 鶴見区選出 公明党

神奈川県議会6月定例会は7月10日最終の本会議で、在宅の重度障害者らに支給する手当の削減を含む23議案を可決し、6月19日からの会期を終了した。

この中で特に2月定例会より継続審議となっていた「神奈川県在宅障害者手当て」については、支給打ち切りとなる約12万人の障害者に半額を支給する経過措置を1年から2年間に延長することとなった。
この件について、公明党県議団として「知事は、厚生常任委員会において、議員側が提出した、激変緩和のための経過措置を一年延長する修正案が可決されたことに対し、「県は昨年12月定例会での意見を踏まえ経過措置を盛り込むなど最大限の対応をしたのに原案が認められず大変遺憾」と述べられたそうですが、私どもにとりましては、その発言こそ遺憾であります。

私たち議員は、現地現場主義の知事以上に、多くの県民の皆様と日常的に対話を重ねております。
本条例の当事者となる障害をお持ちの方々の声を聞く限りでは、県が1年間の経過措置を設けると言った後も、手当てを大幅に縮減することに対しては、考え直してほしいという意見が大勢を占めていました。
そのような状況の中では、本定例会でも継続審査とし、削減で生まれる財源で行なう代替事業の精査や、支給対象者の再拡大などをじっくりと論議するという選択肢もなかったわけではありません。
しかし、在宅障害者のための施策事業の充実も早急に図らなければならないことも事実であり、そのディレンマの中での修正案提出でありました。
知事は、原案が認められなかったことを遺憾と言う前に、なぜ原案が認められなかったのか、修正案の背後にある障害者の現実に思いを馳せるべきなのであります。

今後、手当削減に代わる施策事業の策定を急がねばなりませんが、この手当が、障害者にとって貴重な直接的生活支援であったことに鑑み、障害者の生活に密着した施策事業を計画初年度から充実させるのは当然であります。

知事は定例記者会見において、厚生常任委員会で出された、手当の削減額に見合った地域生活支援施策を行なうよう求める意見に対し、「最大限約束する」旨のご発言をされました。今後は議会としても、障害をお持ちの当事者等のご意見を踏まえながら、施策の具体的内容を提言していきたいと思います。

また、「かながわ障害者地域生活支援推進プログラム大綱」に基づく施策の実施に当たっては、広域的、専門的な観点から県の役割を十分に果たすとともに、県民の意見を踏まえながら進行管理を行い、障害者自立支援法の見直しの動きなど時代の変化にも対応したものとすること。
さらに、当該施策の実施に当たっては、「かながわの障害福祉グランドデザイン」の実現を目指し、神奈川県障害福祉計画の目標達成に資するものすることはもとより、障害者が地域で安心して暮らすことの難しさに十分配慮し、権利擁護や医療環境の充実のための取組など県の役割を踏まえたものとし、障害者、市町村、事業者とともに総合的な推進を図ることを要望いたします。

私たち公明党県議団としては、修正案に賛成し、修正部分を除く原案について、「この改正が障害者福祉の後退につながることなく、障害者の地域生活に向上に資するものとなるよう、『かながわ障害者地域生活支援推進プログラム大綱』に掲げる施策の速やかな具体化に向けて、特段の努力を払うこと。」という意見を付して賛成いたします。」という意見を7月10日の最終日に討論の中で述べました。

同じく、私が環境農政常任委員会委員長として論議を深め、継続審議となっていた「地球温暖化対策推進条例」は全会一致で可決となった。この中で、公明党の亀井議員が、この条例の「計画案」が作成され次第、議会に提出。
その内容についての討議が今後なされる、という言質を当局から取ったことは今後の同条例の議会での議論の深化を進める上で大事な一歩となった。本来、計画案は議会の承認を得る必要が無いために、具体的な行動計画に踏み込めない面があったが、この心配が無くなったことになる。

また昨年来、私が質疑をしてきた「食の安全・安心の確保推進条例」も可決された。
特に、私が主張してきた「食の安心に対して一人ひとり違う意見・感想を持っている。
それを県が一方的に安心と言う言葉を使ってよいのか?」との意見が反映されてか条例名が変更となり「確保」という文字が入ったことは評価されるべきと考えます。

突如話題にあがった海水浴場の原則禁煙問題については、県議会の自民・公明・県政の3派が「知事は全首長が賛同していると発言したが、確認したら反対の首長もいた」「環境美化や観光振興が目的の施策をなぜ厚生常任委員会で審議するのか」との2点を主張して議論が進んでいないことを受け、松沢知事が「手続き論で文句をつけて、まったく中身の議論の入らないのは不毛ですよ」と不満をぶつける一幕も。
これに対し、国義議長が「なぜ厚生常任委なのかという問題は、つまらない議論ではない。議会側がこうした議論を真摯にしたいのに議論を封じてしまう知事の対応はいかがなものか」と訴えた。
考えてみれば先にも述べたとおり、これだけ経済が逼迫し、福祉と言う観点が叫ばれている中、そんなに禁煙問題が議会で論議しなければならない大事な論点なのか?首をかしげるのは私一人ではあるまい。

一方、常任委員会報告だが、委員長として発言の機会が無い。
先ほど述べた亀井議員の計画案の審議を得たことを私の喜びとしたい。

特別委員会については、災害対策を主に質問、「地震による被害想定調査の実施並びに公表」「地震対策で、話題がなかなか出ない液状化現象について」質問をしました。特に液状化現象については、鶴見区、神奈川区、中区をはじめとして横浜市の湾岸に接する多くの区が対策や情報を住民に知らせていない状況を当局にぶつけた。