神奈川県議会議員 鈴木ひでし 鶴見区選出 公明党

質問要旨

(1) 児童・生徒に対する安全運転教育の推進について

自転車の交通安全教育については、平成21年10月の安全・安心推進特別委員会において、「スケアード・ストレイト」を提案した。
この教育技法は、スタントマンが自転車の交通事故を再現するもので、受講者には事故の衝撃が伝わり、ビデオや講話による交通安全教育よりも、交通安全意識を高める効果が期待でき、県警察では、交通安全教育に活用しているとのことである。
昨今、自転車利用者のルールやマナーについて、新聞報道等で盛んに取り上げられ、社会問題化しているが、自転車利用者のルールやマナーについては、子どもの頃の早い段階からしっかりと身につけることが大切である。
そこで、児童・生徒に対し、自転車の交通安全教育は様々な方法で既に実施していると思うが、昨年10月に警察庁から発出された「良好な自転車の交通秩序の実現」を目指した通達を受け、今後、児童・生徒に対し、自転車利用者のルールやマナーを周知するための新たな取組について、所見を伺いたい。

久我警察本部長

自転車の安全教育についてであります。
自転車は、県民の身近な移動手段として、幼児から高齢者まで幅広く利用され、近年、その利用者が増加しております。
しかし、その一方で自転車利用者による交通ルールの無視やマナーの低下も目立ち、自転車の安全利用について、社会の関心が高まっております。
こうした状況の下、県警察では自転車利用者及び歩行者の安全を図るため、昨年12月「神奈川県警察自転車対策総合推進計画」を策定し、現在、各種対策に取り組んでいるところであります。
中でも、「自転車安全教育の推進」を同計画の推進重点とし、その一環として、小学校、中学校、高等学校における交通安全教育の実施について、県教育委員会と検討を行った結果、平成24年度から、各学校のホームルーム等を活用し、教師による自転車安全教育を行うことと致しました。
具体的には、県警察が作成した「チリリン・タイム」という名称の自転車交通安全教育用教材を県教育委員会に毎月提供し、教師がこの教材を活用して児童・生徒に対し、自転車の交通法規や道路標識の意味、自転車が関係する交通事故事例に基づく危険回避のための措置等について指導するものであります。
県警察と致しましては、今後とも教育委員会や各学校との連携を強化し、効果的な交通安全教育の推進に努めて参ります。

質問要旨

(2) TSマーク制度の普及促進について

昨年の県内の自転車関連の交通事故の発生は9,000件を超え、全交通事故の約4分の1を占めており、交通事故死者数については、22人で前年に比べ6人増加している。
万が一、自転車利用者が歩行者に衝突する事故を起こし、歩行者に怪我を負わせたり、あるいは亡くなった場合、事故の状況によっては高額な賠償を求められることもある。
被害者救済の観点から保険加入を促進すべきであり、自転車の点検整備を行い、安全な自転車であると確認した際に貼付するTSマークには、賠償責任保険と傷害保険が付帯されているため、この制度の普及は重要なものと考えている。
そこで、県警察では、TSマーク制度の普及をさらに促進するため、どのような施策を考えているのか、所見を伺いたい。

久我警察本部長

TSマークの普及促進についてであります。
TSマーク制度は、自転車利用者が安全に自転車を利用できるようにするため、自転車安全整備士が自転車の点検整備を行い、併せて傷害保険及び賠償責任保険を付帯するものであります。
その際、自転車利用者に交通ルールや正しい乗り方を指導し、自転車の安全利用と自転車の事故防止を図っております。
県警察では、同制度が自転車安全利用を推進していく上で重要なものと考え、関係機関、団体と連携し、交通安全教育や交通事故防止キャンペーンなどにおいて、この制度の広報啓発を行うなど、その普及促進を図っております。
今回、神奈川県自転車商協同組合にご協力頂き、警察や関係機関・団体が実施する自転車交通安全講習を受講した自転車利用者に対し、TSマーク制度加入時の自転車の点検整備費用の割引制度を導入することとしました。
具体的には、本年4月1日から、同組合に加盟している約300の自転車販売店において、自転車交通安全講習修了時に交付される「講習受講済証」を提示すると、点検整備費用が1,000円程度割引きとなるものであります。
県警察と致しましては、今後も関係機関・団体と連携して、同制度の普及促進に努めて参ります。  以上でございます。

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