神奈川県議会議員 鈴木ひでし 鶴見区選出 公明党

質問要旨

本県の抱える大きな課題は、超高齢化社会への移行スピードが非常に早く、これまでの 本県では漢方など東洋医学の観点も取り入れた健康・医療政策を推進しようとしており、患者目線に立った一人ひとりに最適な医療・健康づくりの方向性には大いに期待している。

しかし、現状では本県の漢方を活用した具体的な取組みがあまり見えていないといわざるを得ない。がんセンターにおける漢方サポートセンターの開設は朗報ではあるが、医療の場面での活用や、未病を治す取組みの進展など、漢方の視点による新たな取組みは、様々な場面で期待できるのではないかと考える。

そこで、本県における今後の漢方の取組みの展開について、どのように考えているのか、所見を伺いたい。

黒岩知事答弁

漢方は、単に病気の症状だけを診るのではなく、「証(しょう)」と呼ばれる、一人ひとりの体質に着目した診断方法と、病に至る前に心身をより健康な状態に近づける、「未病を治す」という考え方に基づく取組みが最大の特徴です。

現在、慶応義塾大学で進めている漢方診断支援システムの研究は、専門医以外には難しい「証」の診断を、ITを活用して、症状や体調、体質など、複数の問診項目から明らかにしようとする研究です。

県では、その研究と連携して、自分の体調や体質などを、パソコン画面などでチェックして証を予測し、食や運動などのアドバイスにつなげる、未病チェックシートの開発を進めているところです。

未病の状態を日ごろから把握し、改善につなげることのできる仕組みを、来年度早々にはお示しし、県ホームページなどで広く周知していきます。

今後は、県西地域活性化プロジェクトとも連携し、例えば、レストランや旅館、ホテルなどでチェックシートを活用してもらい、その結果に基づいた食事の提供など、活用方法の実証研究を進めてまいります。

また、「未病を治すかながわ宣言」に基づき、「未病を治す」という考え方を、広く企業や団体、市町村の皆様に協力をいただき、PRするとともに、今後設置を進めていく「未病センター」等において、県民の皆様に広く浸透させていきます。

さらに、神奈川科学技術アカデミーで構築する、イーラーニングによる漢方医学の学習システムを活用し、県民や医療関係者への正しい漢方知識の普及を進めていきます。

このように、「証」や「未病を治す」といった漢方の考え方を広く普及し、県民一人ひとりが「いのち輝き」、健康で生き生きと暮らせるよう、取組みを展開してまいります。

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