神奈川県議会議員 鈴木ひでし 鶴見区選出 公明党

質問要旨

(1) 県OBのシルバー人材バンクの創設について

民間では、世代交代が進む中、経験豊富な社員の持つ技術や技能を次世代に継承するため、現役のシニア層に加え、OBも再雇用し、若手や中堅の教育に当たらせている。
民間におけるこの取組は、技術、ノウハウの継承を図る上でも効果的であると考えられ、本県でも、退職されたOBを若手育成のために積極的に活用すべきではないかと考える。
再任用制度があるのは承知しているが、もう少し柔軟に、OB職員の力を活用できるよう、「シルバー人材バンク」のようなものを作り、再任用で5年を経過した方も含め、随時、OB職員の力を借りられるような仕組みをつくってはどうかと考える。

そこで、様々な経験を積み、ノウハウを持つOB職員の力を活かすため、県OBの「シルバー人材バンク」をつくるべきではないかと考えるが、所見を伺いたい。

黒岩知事答弁

現在、県を定年退職する職員の約4割が再任用職員となっています。
そして、一般事務系では庶務・経理分野に約26%、税務分野に約17%、技術系では、土木分野に約12%など、様々な分野で力を発揮しています。
経験豊富な専門知識を持った多くの職員が定年で退職する中、ベテラン職員の知識、技術やノウハウを引き継ぎ活用していくことは、県として大変重要です。
今後、そうしたOB職員が、職員指導や県民への相談分野などで、さらにキャリアを活かしていくことも可能だと思います。
一方、市町村からも税務徴収分野等において県OBを活用したいとの要望が数多く寄せられています。
また、今回、東日本大震災被災地に派遣する任期付職員を募集した際には、土木や建築分野などには県職員として培った知識や経験が活かせることから、県退職者に積極的に声をかけたところです。

今後、県職員の活躍が期待されるこうした分野に、再任用職員以外の退職者や、再任用を終了した65歳以上の人などにも、幅広く活躍してもらうため、ご提案の仕組みも含めて検討してまいります。

質問要旨

(2) なんでも相談窓口の創設について

県民の様々な悩みを受け止め、解決に向けた支援を行うため、県は、様々な相談窓口を開設し、県民からの相談に応じている。
現在でも、窓口の広報はなされているが、ホームページをみても、窓口は何十か所もあり、どこに相談してよいか、分かりづらい。
これだけの窓口があるということは、それだけ困っている人が多いということであり、県はそれにきめ細かく対応しているという証左ではあるが、県民からすれば、どこに相談したらいいのかわからないというのが正直なところである。

そこで、こうした状況を解消するためにも、OBの持つ長年の行政経験を活用して、一旦、県民からの電話を受け、「この電話はここに!」といった、適当な窓口につなぐことができる、なんでも相談窓口を創設してはどうかと考えるが、所見を伺いたい。

黒岩知事答弁

県では、かながわ県民センターなど、県内9か所に「県民の声・相談室」を設け、県の仕事に精通したOB職員を配置するなどし、県民の皆様からの県の仕事についての照会、県政への提案・要望などをお伺いしています。
また、皆様からのご相談については、子育ての悩みであれば「児童相談所」、商品等の契約に関するトラブルであれば、「かながわ中央消費生活センター」、こころの健康についてであれば「精神保健福祉センター」など、内容に応じて様々な部署でお受けしています。
こうした相談窓口については、より多くの県民の皆様に知っていただき、有効に活用してもらうため、窓口のチラシや県のホームページにより、広報しています。
また、県内9か所の「県民の声・相談室」においても、県の仕事に関する知識や経験などを活かし、相談内容に応じた県の窓口を案内しています。
しかし、悩みを抱えた皆様にとっては、どこに相談したらよいのか分からない、「県民の声・相談室」で相談窓口を案内していること自体を知らない、といったこともあると思います。

そこで、かながわ県民センター内の「県民の声・相談室」を一元的な相談窓口案内に位置づけ、名称も「県民相談ナビ・デスク」として、引き続き、OB職員などを活用しながら、県民の皆様からの相談にしっかりと対応してまいります。

質問要旨

(3) 学校現場における教育力の継承等について

本県の教員の年齢構成は、50歳代が大量に退職するため若手が増えており、経験豊富な教員の教育力の若手への継承が課題である。
また、現在、臨時的任用教員の方の中には、現場における様々な悩み等のある方もいると聞いており、他にも立場を超えて不安を和らげる取組の導入が必要ではないかと考える。
さらに、子どもたちへの教育において、民間等で培われた専門的な知識を有する方々の力を活用することも有効であり、高齢化社会が進む中で、地域のシルバー人材の活用も考えていく必要がある。

そこで、退職教員の活用を通じた教育力の継承による教員の人材育成に、今後、どのように取り組んでいくのか。また、高い実績を有する臨時的任用教員が感じている様々な不安の解消に向けた取組や地域の経験豊かなシルバー人材の活用についてどのように考えているのか、所見を伺いたい。

藤井教育長答弁

現在、教員の大量退職・大量採用が続いており、ベテラン教員から若手教員への教育力の継承が大きな課題となっています。
また、若手教員が増える中で、出産や育児に伴う休業に対応するために、増加している臨時的任用教員へのサポートが急務となっています。
さらに、グローバル化や情報通信技術の進展などに伴い、激しく変化する社会において、子どもたちが、社会的に自立していくためには、しっかりした職業観を身に付けることが求められています。

そこで県教育委員会では、若手教員への教育力の継承を図るため、ベテランと若手の教員が一体となって取り組む、組織的な授業改善を通して、若手教員の育成に努めてきました。
今後、こうした取組を一層充実させる必要があることから、退職教員に若手教員への授業作りの指導・助言や、教員の採用にあたって、人材を確保するための業務などを担っていただきたいと考えています。

これらの取組については、年内に見直しを予定している、優秀な教員を確保・育成するための「教職員人材確保・育成基本計画」に位置付けていきます。
次に、臨時的任用教員の不安の解消についてです。
今後、臨時的任用教員が増えてきますので、生徒指導など様々な不安に丁寧に対応する必要があります。
そこで、経験豊富な退職校長などによるサポートデスクを新たに設けて、臨時的任用教員の不安の解消を図り、安心して仕事に打ち込める環境を整えていきます。
最後に、地域のシルバー人材の活用についてです。学校現場では、これまでも企業の国際部門で活躍された方や、情報関係の技術者などの退職者を講師に招き、子どもたちの職業観を育成する取組を行ってきました。

今後、こうした取組を拡充していく必要があると考えています。
そこで、様々な分野で活躍された地域のシルバー人材の方々と学校をつなぐため、「スクール・人材バンク」の設置に向けて取り組んでいきます。
県教育委員会では、こうした取組により、学校全体としての教育力の向上に努めてまいります。

再質問

新しい教員の方々に対して、ベテランの教員をつけることを、計画の中に位置づけるということでございましたが、これをどのような形で行うのかをしっかり言っていただかないと、私も隅々まで読むわけにもいかないものですから、いつその計画が出て、どのような計画なのか、どのような形で行っていくのかということについてお願いいたします。

藤井教育長答弁

現在、教員の大量退職・大量採用が続いており、ベテラン教員から若手教員への教育力の継承が大きな課題となっています。
また、若手教員が増える中で、出産や育児に伴う休業に対応するために、増加している臨時的任用教員へのサポートが急務となっています。
さらに、グローバル化や情報通信技術の進展などに伴い、激しく変化する社会において、子どもたちが、社会的に自立していくためには、しっかりした職業観を身に付けることが求められています。
そこで県教育委員会では、若手教員への教育力の継承を図るため、ベテランと若手の教員が一体となって取り組む、組織的な授業改善を通して、若手教員の育成に努めてきました。
今後、こうした取組を一層充実させる必要があることから、退職教員に若手教員への授業作りの指導・助言や、教員の採用にあたって、人材を確保するための業務などを担っていただきたいと考えています。

これらの取組については、年内に見直しを予定している、優秀な教員を確保・育成するための「教職員人材確保・育成基本計画」に位置付けていきます。
次に、臨時的任用教員の不安の解消についてです。
今後、臨時的任用教員が増えてきますので、生徒指導など様々な不安に丁寧に対応する必要があります。
そこで、経験豊富な退職校長などによるサポートデスクを新たに設けて、臨時的任用教員の不安の解消を図り、安心して仕事に打ち込める環境を整えていきます。

最後に、地域のシルバー人材の活用についてです。学校現場では、これまでも企業の国際部門で活躍された方や、情報関係の技術者などの退職者を講師に招き、子どもたちの職業観を育成する取組を行ってきました。
今後、こうした取組を拡充していく必要があると考えています。
そこで、様々な分野で活躍された地域のシルバー人材の方々と学校をつなぐため、「スクール・人材バンク」の設置に向けて取り組んでいきます。  県教育委員会では、こうした取組により、学校全体としての教育力の向上に努めてまいります。

要望

一刻も早く、具体的な形をしっかり出していただきたい。
全般の今回の私の質問の中に入れた大きな底流は、やはりOBの方、特に教員や警察官の方には優秀な方がいっぱいいらっしゃいます。こういう方を何で現場でしっかりもう一度戻してお使いにならないのかな、という思いが根底にあったわけでございますので、その意図を汲んでいただき、今後ぜひとも教育長に対し、お願いしたいと思います。

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