神奈川県議会議員 鈴木ひでし 鶴見区選出 公明党

県立がんセンターにおけるゲノム医療の推進について

質問

近年、がんゲノム医療が目覚ましい進歩を遂げている。国は、がんゲノム医療の体制整備のため中核拠点病院や連携病院を指定し、県立がんセンターも連携病院となった。国はさらに体制を強化する方向であり、県立がんセンターには県内の中心的な役割を担ってもらいたい。
 一方、がんゲノム医療は新分野であり、患者や県民の理解が十分ではない。まずは、希望に満ちたがんゲノム医療があることを患者や県民に伝え、発信することが重要であり、そのためには、県立がんセンターが、県民への情報発信や相談対応等を行う、専門の窓口を設置するなどの仕組みづくりも必要である。

そこで、県として積極的にがんゲノム医療を推進するために、県立がんセンターが中心的な役割を果たす必要があると思うが、専門の組織づくりも含め、県立がんセンターにおいて、がんゲノム医療に今後どのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。

知事答弁

最先端医療・最新技術の追求については、殿町のライフイノベーションセンター、LICを中心に再生・細胞医療の企業等の集積と、ここを拠点としたネットワーク強化などに取り組んできました。
 こうした基盤づくりにより生まれたネットワーク等を活かして、全国で3か所しか選ばれない国の「リサーチコンプレックス推進プログラム」に、平成28年、殿町が採択されました。
 また、先月には、横浜国立大学、がんセンター等の研究プロジェクトを核として、県立産業技術総合研究所とともに、国プロジェクトである「地域イノベーション・エコシステム」の採択を受けました。
 さらに今月には、本県と連携して慶応大学が、国の「オープンイノベーション機構整備事業」に採択されたところです。
 こうして年7億円規模の国費の導入を得て、「貼るだけでインスリンを自動制御で投与できる人工すい臓」や、「大量に毛髪を再生し力触覚の技術も活用して移植する技術」などの開発をコアに、ベンチャー企業が次々と立ち上がる仕組みを構築していきます。
 他方、今回、覚書を締結した武田薬品工業の運営する湘南ヘルスイノベーションパークとLICを中心とした殿町との連携を進め、県内の企業や大学を巻き込んで最先端医療・最新技術が生まれる環境を提供していきます。
 今後は、これまでに築いたネットワーク等をフルに活用して、国の資金を積極的に獲得し、それを核にして、スクラップアンドビルドの観点から、事業を再構築し県全体で最先端医療・最新技術の実用化に努めていきます。
 また、併せて、こうしたプロジェクトで将来実現を目指している姿を県のホームページなどに掲載することにより、県民の皆様にわかりやすく伝わるよう、情報発信してまいります。

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