神奈川県議会議員 鈴木ひでし 鶴見区選出 公明党

6. 被害予測に基づく避難対策について

質問要旨

大規模な風水害が発生するたびに、課題として取り上げられるのが避難のあり方である。
 都市化が進み、人口が920万を超える本県において、全ての県民が避難できる避難所を確保しておくことは、現実的ではない。しかし、風水害については、「ハザードマップ」に基づいて、避難の対象となる住民の数を市町村があらかじめ把握することができるのではないか。
 風水害が発生した際に避難すべき人の数と、供給できる避難所の数が明確になれば、避難所の不足が見込まれる場合に、広域避難や車中泊などの代替対策を検討する際の基本データにもなる。

 そこで、避難対策は、基本的に市町村の役割であるが、市町村が風水害時において、避難所の需要と供給を見定め、目標を設定した上で、計画的に避難所を確保できるよう助言していくことも、広域的な調整を担う県としての役割だと考えるが、所見を伺いたい。

知事答弁要旨

県内には、風水害に備えて、学校や公民館などの公共施設を中心に、現在、約1,300か所の指定避難所と、約2,600か所の指定緊急避難場所があります。
 しかし、都市化が進み、人口密度が高い地域などでは、被災の状況によって、既存の避難所だけでは、避難者を十分に受け入れられない可能性があります。
 また、新型コロナウイルスの感染防止のため、避難所が密にならないよう、収容人数を縮小しなければならない必要も生じています。
 こうした状況を踏まえ、市町村が今後さらに、避難所確保に取り組むにあたって、ハザードマップなどを参考に、風水害が発生したときに見込まれる避難者の数を推計し、確保すべき避難所の目標を設定することは、大変有効と考えています。
 県では、市町村の避難所確保の取組を支援するため、災害発生時に、市町村の求めに応じて、避難所指定の有無にかかわらず、県立施設をできる限り提供することにしています。
 また本年7月には、神奈川県旅館・ホテル生活衛生同業組合と協定を締結し、市町村が旅館やホテルを、避難所として確保できる仕組みを作りました。
 こうした県の支援を活用しても、なお、地域の避難所に入れない人数を、市町村が把握できれば、近隣市町村等への広域避難や車中避難など、他の手段による避難対策の検討が、より具体的に進むと考えています。
 そこで、県は今後、被害予測に基づいた計画的な避難所の確保に向けて、ハザードマップを活用した避難者数の推計方法などを、市町村と国、県で構成する広域避難研究会で検討してまいります。

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