神奈川県議会議員 鈴木ひでし 鶴見区選出 公明党

1. 財政運営について

質問要旨

令和3年度当初予算においても、制度上認められる県債を最大限発行しても、財源不足を賄いきれず、130億円もの財政調整基金を2年連続で取り崩したと承知しており、今回を含めて7回の補正予算が編成され、追加で57億円の財政調整基金が取り崩されたところである。
 このままのペースでは、財政調整基金が枯渇するのではないかと大変心配している。国の地方税財政制度において十分な税財源が確保されることが必要なことは承知しているが、県自らも、将来の財政運営を見据えて、歳入増や歳出抑制につなげるといった視点も重要であり、施策・事業の成果に焦点を当てるよう求めたい。

 そこで、財政運営に当たっては、将来の税収増や歳出抑制といった成果を見据えて施策・事業を構築すべきと考えるがいかがか。また、そうした取組による成果も併せて県民に分かりやすく示していくべきと考えるが、併せて、所見を伺いたい。

知事答弁要旨

まず、成果を見据えた施策・事業の構築についてです。
 中長期を見据え、安定した財政運営を続けるためには、税収確保や歳出抑制等による財政基盤の強化が欠かせません。
 そのため、県内経済のエンジンを回し、収入増を図るという視点や、将来の県の支出抑制を見据えて今必要なことに取り組むといった視点をもって、施策・事業を構築することが大変重要です。
 県では、これまでも、企業立地件数200件を目指す「セレクト神奈川NEXT」など、県内経済を活性化し、将来の県税収入の増収を図る施策に取り組んできました。
 また、急速な高齢化が進む中、未病改善や後発医薬品の使用促進などにより、令和5年度の医療費の伸びを377億円抑える「医療費適正化計画」の策定など、支出増加を抑制する施策にも取り組んでいます。
 こうした取組は、コロナ禍で財政状況が厳しくなる中、さらに重要性が高まりますので、今後は一層将来の収入増や歳出抑制につなげる意識を持ち、具体的な成果を見据えて、施策・事業を構築していきます。

 次に、施策・事業の成果の広報についてです。
 県の施策・事業に対する県民の皆様の納得感を高めるためには、予算案で考え方を示すだけでなく、実施後の成果を分かりやすく示すことが必要です。
 特に、多くの予算を投じた施策・事業については、より一層の結果責任が求められますので、その成果をしっかりと広報していくことが大変重要です。
 そこで、今後は県のたよりなどを活用し、財政運営の視点も含めた成果を県民の皆様にお示ししていきたいと考えています。

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